三豊市粟島にある漂流郵便局
2013年の秋に作品として粟島に誕生してから、第2・第4土曜日に開局を続けてきました。ですが現在、コロナウイルス感染症を島へ持ち込まないためにという思いから、漂流郵便局は閉局しています。
漂流郵便局に届いた4万通以上の手紙から、お母さん宛の手紙を中心に集めた本が、2020年4月に出版されました。
『漂流郵便局 −お母さんへー』
〇−お母さんへーという副題を決められた先週のお話はこちら
行くことだけで価値がある
時間が止まっているような場所
「漂流郵便局」
先週に引き続き、アート作品、そして本の著者の久保田沙耶さんにお話を伺いました。
(赤いカーネーションを持つのが沙耶さん)
なんで、この本が出版されたタイミングに、漂流郵便局が閉局するんだ〜と思いました。
でも、ようやく最近、この時期に出版されることに意味があったのかなと思うようになりました。
漂流郵便局は、手紙を出された方にとっても、想いの深まる場所になるようです。
手紙を出した後に、粟島の漂流郵便局まで足を運ばれて、自分の出した手紙を探しに来る方もいらっしゃいます。
4万通以上あるので、自分と重なることの多い方の手紙を読みながら、自分の出した手紙を探すしかありません。そして、自分の手紙を見つけた時には、書いた気持ちとは全く違う気持ちになっていることがあるというお話を聞いたことがありました。
この本は、粟島へ行かなくても、意識して読もうと思っていなかった手紙を読みながら、読み終えた時には、読む前とちょっと違う気持ちになっている・・・、そんなことが起こる本なんだと感じています。
おうちの中で過ごす今、作品を読んでいる場所でみずみずしくこの本から湧き出る感情を感じてもらえること自体が、アートプロジェクトだなと感じられるようになりました。
三豊市詫間町の港から船で15分の場所にある漂流郵便局は、現実的には行きにくい場所にあるかもしれません。ですが、行くのに手間と時間がかかるだけに、『漂流郵便局へ行くこと』は特別な経験になるかもしれません。
ただ、島へ行くということは、定期船の時間が限られていますので、船の時間を気にして、、せっかく漂流郵便局へいらしても慌てて帰られる方も多くいらっしゃいます。
本というスタイルにすることで、いつでも自分のペースで向き合えるという意味では、開局時間に縛られずに、漂流するように好きな時間に、漂う気分で何度もアートを感じてもらえる・・・、本だからこそ味わえるアート体験だなと感じています。
今あるべきという意味では、素晴らしいタイミングに、この本が出版されたと感じています。
本の巻末に、漂流郵便局宛の特別な特製はがきがついています!
みなさんも、漂流郵便局へはがきを出してみませんか?!
いつかの、どこかの、だれかが・・・、漂流郵便局に漂うあなたの手紙を読んで、何かを感じるかもしれませんよ♪
漂流郵便局
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