ブログでもたびたび紹介してきました香川県のジオパーク(*)化への取り組みの中で、今回三豊をフィールドとしたツアーづくりのための下見&調査が行われました! 前編はこちら
さて、宗吉かわらの里展示館をでてすぐの場所で長谷川教授が「周りを見てください」とのこと…なんでしょう?
田んぼ…ですよね??ちょっと段々畑っぽいですが…
長谷川先生「実は現在この段になっているところがかつては海の縁、渚だった場所なのです。こちらの資料を見てください。現在の地形の高低差で色付けしたものですが、この水色や青の部分がかつて海だったエリアです。今いる場所はちょうどその縁にあたります」
なるほど!このブログでも以前地名から海のエリアを推測した記事を紹介しましたが(「三豊には海が広がっていた」記事はこちら)、さすがは長谷川研究室、科学的に示してくださいました。
かつて海だったエリアを歩いて汐木山を目指します!
汐木山の荒魂神社の200段の階段を登りますよ。
がんばれ、自分!
着きました〜
汐木山も爺神山と同じく中央部に溶岩が貫入している山なのですが、神社からすぐ近くに、もともとあった岩盤(花崗岩)と、その中に割って入った溶岩(安山岩)の境目がみられるポイントがありました!
(写真中央から左が安山岩(約1,400万年前)、右が花崗岩(約1億年前))
ぱっと見た目にはあまり違いがわからないのですが、近寄って見ればと明らかに違います。「1,400万年前にここを溶岩が通っていったのか…」とはるか昔の景色を想像してしまいます。決して、今のような穏やかな景色ではなかったのでしょうね^^;
さて、汐木山の階段を気をつけて降りると、麓にはかつての常夜灯や港の跡があります(「汐木山のふもとは港だった」記事はこちら)。
(常夜灯)
(港の跡を示す石碑と解説板)
ここからは、高瀬川沿いに詫間駅を目指します。途中に小さな建物がありました。
「県営湛水防除事業・三野地区」とあります。必要以上に溜まってしまった水を排水するための施設のようです。
水不足の香川県において、このような施設があるのも「かつては海だった」この地域の土地柄ならではですね。
さらに駅にほど近い詫間町松崎地区ではこんなお地蔵様がいらっしゃいました。
人の背丈よりも高い台座に祀られています。
これをじっくりご覧になっていたWさんから「徳島などでよく見る『高地蔵』では?」とのご意見が…
高地蔵についてはこちら(徳島市HPより)をごらんください。
なるほど、徳島のものは四国三郎(吉野川)の洪水で流されないようにしたものですが、三豊のものは大雨などによる湛水で沈まないようにしたものなのでしょうね。
悠久の時を超えた地形と石のジオの旅、最後は石のお地蔵様のありがたいお姿で、下見調査を終えました。
本番は香川大学地域連携・生涯学習センターの「ジオガイドが案内する讃岐ジオサイト(2)」の一環として、11/29に予定されているそうです。どんなツアーになるか楽しみです(センターのHPはこちら)
長谷川先生、ご参加された皆様、ありがとうございました!
(今回のルート)
(C:宗吉かわらの里 → D:汐木山・荒魂神社・港跡 → E:湛水防除施設 → F:高地蔵 → G:詫間駅)
ありがとうございました!