―続いて、お聞きしたいのは、環境への配慮についてです。
HPを拝見していて、次世代に続く環境や森を大切にされていることが伝わってきます。
このような視点は、最初からお持ちだったのでしょうか?
(菅社長)
1997年に、NPO法人ネットワーク地球村の高木善之氏の講演を聞く機会があり、地球温暖化の深刻さ、絶滅していく種が増えていることなどを知りました。
私自身の世代は地球環境が本当に深刻化する前に生を終えることができるかもしれないけれど、次世代、さらに続く世代に、確実に負担となることがわかり、環境問題に興味を持ちました。
同時に、会社としても、何かできることはないかという観点で、取り組みも始めました。
―具体的な取り組み、教えてください。
(菅社長)
木と共にということで、創業100周年となった平成21年(2009年)に、本社敷地内に5,000本以上の「ふるさとの木」を植樹しました。日本に本来ある在来種や、その土地にあるべき木を植えるようにしていくことで、その土地にあった本物の森になっていくという考えです。できるだけ地域の自然に近い生態系を作ることで、今では野鳥や昆虫もやって来るようになりました。
(「ふるさとの木」植樹の様子 画像提供:株式会社 菅組)
(「ふるさとの木」植樹の様子 画像提供:株式会社 菅組)
(「ふるさとの木」植樹の様子 画像提供:株式会社 菅組)
また、新築した住宅の庭にも、小さくてもいいので、四国の潜在自然植生である「シイ・タブ・カシ」の3種の木を植樹していただく提案もしています。
(緑いっぱいの一般住宅 画像提供:株式会社 菅組)
―菅組の建てた建築は、どんな場所にあっても自然に近い環境で暮らすことができそうですね。
(菅社長)
他には、古材と薪ストーブの店「古木里庫」の入り口には、ビオトープを作っています。
ビオトープとは、様々な野生の生き物が共生している空間のことですが、小さな鉢や池、そして自然に近い植生などから作ることができます。こういった場所に、鳥や小動物が自然に訪れるようになりました。
こういった取り組みを発信することで、環境の話を通じて話が盛り上がることも増えましたので、思わぬところでPR効果もあるように感じています。
(古木里庫ビオトープ 画像提供:株式会社 菅組)
―古木里庫に行くとほっとした空気感を感じるのは、入り口にあるビオトープの自然のあたたかさもあるんですね。
さて、菅組の社員の方は、皆さん、木製のSDGsバッチをつけていらっしゃいますよね?
(菅社長)
SDGsが国連で採択される2015年より前から、弊社としては環境への配慮について考え始めていましたが、世界的に取り組みが広がることで、建築業の中で、環境や社会に対してできることを今まで以上に考え始めました。
例えば、コンパネ(コンクリート打設時に使われる型枠パネル)には、東南アジアなど熱帯林の材木を使っているものが主力となっています。でも、これからの時代を考えた時に、東南アジアの森林伐採は気候変動を進めてしまいますし、生物多様性の劣化を招きます。そういったことも考慮し、材木の原産地にも配慮して購入するようにしています。
世界では、1年間に、4万種の生物が絶滅していると言われています。このペースで行くと、遠くない未来に人類も絶滅してしまう可能性もあります。そうならないために、今、生態系のバランスを保つためにできることを、選択していきたいと考えています。
―環境や「木」についての話題、つきそうにありませんね!
菅組HPにも、社としての想いもしっかりまとめられていますので、しっかり読みたいという方は、ぜひHPを参照ください。
(取り組みの一つ 大黒柱伐採ツアー 画像提供:株式会社 菅組)
(取り組みの一つ 大黒柱伐採ツアー 画像提供:株式会社 菅組)
―これまでお話を伺ってき、一般の建築業だけではない、幅広い視点をお持ちの会社だなと感じました。このような環境への想いを発信することで、入社したい方も変わってきたのではないでしょうか?
(菅社長)
確かに、環境問題に興味がありますという方も、少しずつ増えてきているように感じます。
とはいえ、基本は建築業です。設計や施工管理部門は理系の方、総務部門には文系の方からというのが一般的です。
―会社の雰囲気を知る機会としてインターンシップなどは行っていますか?
(菅社長)
マイナビ・リクナビでの募集を通じて、2daysと1dayを実施しています。
会社案内、座談会などを中心に、社内の雰囲気を見てもらっています。
対象は大学3年生としていましたが、今後はほかの学年に広げる可能性もあります。
―最後になりますが、求める人材像をお聞かせください。
(菅社長)
3度の飯より建築が好き・・・、とまでは言いませんが、やはり、建築が好きで、さらに仕事を面白くしていこうという気持ちのある方と一緒に働きたいですね。
―ありがとうございました。
未来の地球を思いながらの選択の数々、そして、今できる地域での取り組みなど、興味深いお話がたくさんでした!
菅組のHPでは、社長自らのコラムコーナーがあったり、読みごたえのある内容がたくさんありますので、ぜひ、ご覧ください
株式会社 菅組
住所:三豊市仁尾町仁尾辛15−1
電話:0875‐82‐2441