2012年02月22日

百々手祭り〜interview@〜


西讃地方を中心に行われている早春の神事・百々手祭。
かみしも姿のりりしい射手たちが正面の的に向かって弓を構えます。

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ほんまモンレポーターのななこです。

瀬戸内海歴史民俗資料館・主任専門職員の田井静明さんに
香川県に残る百々祭について、お話を伺いました。



百々手祭というのは、どういったお祭りなんですか?


百々手祭というのは、香川県の中でも西讃岐を中心に
弓を射る行事として行われています。
一般的には豊作祈願とか、大量祈願とか、厄落としとか。
そういった目的で弓を射る、魔を退散させるという意味合いが強いですね。

春にあたって、予祝行事とも言われていますが、
作業に入る前に、農作業なら農作業に入る前に
今年は豊作を祈りますということで、本来は春に行われています。

特に、三豊市や観音寺市では百々手祭が盛んで、
百々手祭に関する記録類がたくさん残っているんです。
比較的古いものが残っているというのが特徴で
そういう意味では江戸時代の早い段階から
百々手祭が行われていたんじゃないか、と思わわれています。




「百々手」にはどのような意味がありますか?


百々手というのは、流鏑馬や御歩射などと同じ弓行事の名称で、
計二百本の矢を射ますが、二本を一手とみなすことから
「百々手」の名がついたとされているんです。
また、使われている「百」の漢字には、
「たくさん」という意味も込められていますよ。




三豊市の百々手祭について教えてください。

「百々手祭」という名前の神事を行っている所は
本当にあちこちに残っているんです。
規模や形式、射手が子供か大人かなどの違いはあるものの
それぞれの地域で、それぞれの歴史と伝統を守りつつ
百々手祭が行われているんですよ。

また、荘内半島の百々祭は県指定無形民俗文化財にもなっていて
昔からのしきたりと伝統を厳格にずば抜けてよく残しています。
いろいろな取り決めを詳しく細かく決めて、丁寧に伝承して
昔ながらの形式で執り行うところが文化財的な価値も高いです。

百々手祭は、それぞれの地域で残っていますので、
自分たちの百々手祭の歴史はどうなのかな、記録はあるのかな、
という風に考えながら、長く地域の中で保存してもらえたら
とてもありがたいなぁ、思っています。





次回は、大字生里自治会長の大江さんにお話を伺います。
いよいよ、この週末は生里百々手祭。
小さい時に1度だけ訪れたきりなので、とても楽しみです。
posted by ほんまモンリポーター at 23:58| Comment(0) | 伝統文化 & お祭り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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