『紫雲出山遺跡 発掘60年史』
紫雲出山遺跡 発掘60年史のご紹介の記事はこちら
引き続き、宗吉かわらの里展示館 学芸員の宮武尚美さんのお話です
パネルを見ながら
第1回目の調査では、住居跡と思われる石列(石を並べたもの)や
弥生時代中期頃と思われる多数の土器、石鏃、石槍、などが見つかりました
なかでも、長くて重量性のある石鏃が多数出土しました
これは、動物などの狩猟目的と言うより、人間同士の殺傷目的も考えられるものです
同時に、荘内半島の最高所にあるという立地条件や、
卑弥呼が邪馬台国の女王になる前の、混乱期の歴史とも重なるために、
この高地性集落が、軍事的利用、防衛的利用のために、この場所に作られたのでは、
ということで、学界からも注目を浴びました
その後、瀬戸内海沿いの周辺遺跡の調査が進み、
瀬戸内海が海洋交易の拠点であったことがわかってくる中で
この高地性集落が海洋交易ために、平和的利用されていたのではないかという説が
最近出て来ています
すぐに、どちらだったのかという結論は出ないかもしれませんが、
キーワードは、瀬戸内海を見渡すことのできる見晴らしのいい立地です
現在でも、高所に暮らすには、物資を運ぶためなどには不便があるのに
あえてこの時代に、この場所に集落があったということに
なにか、意味があるのではないかなと思います
また、昭和63年ころの調査で、竪穴式住居や高床式倉庫の跡が見つかっています
その様子を再現して、作られたのが、こちらの弥生人の親子などです
他にも、紫雲出山山頂にある、紫雲出山遺跡館内には、
発掘の歴史を知ることのできる展示があります
宗吉かわらの里展示館で、発掘60年史を見て、
また、それから紫雲出山山頂に行ってみてください

弥生時代に、この高地性集落でどんな生活が営まれていたのか・・・
古代歴史ロマンにひたってみてください



宗吉かわらの里展示館
住所 三豊市三野町吉津甲153-1
電話 0875−56−2301
開館時間 午前9時〜午後5時
休館日 月曜日(祝日の場合は開館、その翌日が休館)
入館料 100円(中学生以下&65歳以上は無料)
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