前回に引き続き、瀬戸内国際芸術祭 秋会期に
三豊市 粟島にて作品制作をされているアーティスト
久保田沙耶さんへのインタビューをお届けいたします。
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瀬戸内国際芸術祭の会期中にもどんどん変わっていく作品なんですね
手紙もどんどん増えていくますし、さらに漂流私書箱で
手紙を拾い上げて、鑑賞者に読んでいただく事によって
さらに手紙の場所がどこに行くか分らなくなる、という
漂流の連鎖みたいな物がおきる私書箱を
作ろうと思っているので、常に変わっていきますので、
11月4日までにも変わっていますし、海と一緒で毎日来たら毎日変わっている
というような場所になると思います。
会期中は漂流郵便局にいらっしゃると思いますが、
郵便局員として、また別のお仕事があるんですか?
細かくは決まってはいないのですが、私は郵便局員で
ここで45年間勤められた局長の中田さんが
今回も漂流郵便局の局長をやっていただける事になりました。
基本的には、中田局長と私の二人で運営する事になると思います。
毎日滞在するかは分らないんですが、
手紙を漂流させるという事をやっていたり、
公開制作でここで漂流物を使った作品を作ったりする事になるかと思います。
まだ、構想段階ではあるのですが10月の末あたりに
郵便をテーマにした舞台をここでやろうと思ってます。
私は局員として演じるのですが、もう一人小芝居を作っている方に
脚本をお願いしてこちらで演劇をする事ができれば、と思っています。
久保田さんが瀬戸内国際芸術祭に参加されたきっかけ、
粟島を選んだ経緯など教えてください
まず、瀬戸内国際芸術祭の試験が去年の7月頃にありました。
それに行ってみてはどうかと古くからお世話になっている方に
ご連絡をいただいて、じゃあやってみようと思いました。
その時に、考古学を少しやっていたので
考古と美術を混ぜたような作品を作っていたのですが
島に残っている遺物を使って何か作品が出来ないかという事を
始めにプレゼンして、通りました。
その時に、小豆島と粟島を両方を下見させていただいた時に
たまたまこの郵便局の前を通りかかったんです。
郵便局の中は、色んな物が置いてあってゴタゴタだったんですが
この佇まいにひかれるものがありました。
うっすらと文字で粟島郵便局というのが残っているのを見て、
ドアも開いていて中を歩いていった時に
窓に自分が写っているのを見て「なんでここに来たのかよく分らない」という
気持ちになって、ここも郵便局ですし、辿りついてしまったというか
自分も漂っているんだ、と思いました。
大きい漂流の流転の中の一部でしか無いんだな、という感情が湧いたので
それを作品にできるんじゃないか、というひっかかりを残したまま
郵便局を後にしました。その時に漂流郵便局という
言葉が降ってきて、あそこで漂流郵便局をやるんだったら、
ぜひ一夏かけてやりたいと思いました。
◆こちらが、実際に立てかけられる予定の看板
久保田さんへのインタビュー、次回へ続きます。