瀬戸内国際芸術祭2016の秋会期の舞台となる粟島では、
現在、見えるところ&見えないところでも、
さまざまな準備が始まっています!
先日、粟島の『日々の’笑’学校』の校長でもあり、
参加アーティストの1人でもある日比野克彦さんが、
作品作りの一環として、海底調査に行かれました!
行先は、三豊市粟島沖の北約4kmくらいのところにある二面島の沖合。
以前から、漁師の方たちの間では、
この辺でよく網が引っ掛かるんだ・・・という話があったそうで、
その話をもとに、この海底を調査したところ、
水深20mくらいのところに、大量のれんがと共に沈没船が見つかりました。
今回、日比野さんや水中考古学研究所の吉崎伸理事長らが潜水調査を行い、
水深約17メートルの海底にあった大量のれんがの一部を引き揚げました。
現在、考古学の専門家と共同で調査を始めたところですが、
れんがは運搬船が何らかのアクシデントで沈没した遺物とみられていて、
詳細な年代や利用目的などは引き続き調査中となっています。
日比野さんは、この長く海底で眠っていたれんがを、
アートと考古学の両面からアプローチして発想をめぐらせ、
秋会期の作品の一つとなる予定です。
引き揚げたれんがは、大きさも現在のものとは違い、
縦11センチ・横22センチ・高さ5センチと
日本人の手には少し大きく感じられるサイズのれんがだそうです。
(現在日本で主流のれんがは、縦10センチ・横20センチ・高さ5センチ)
考古学的な調査ですでにわかってきていることとしては、
れんがの表面の模様がピアノ線で切った痕跡があることや、
れんがの大きさなどから、製造年代は明治〜大正期と特定されています。
大半に「×」マークが記されていて、これをもとに
どこで作られたものがわかる可能性があるそうです。
れんがは、明治頃には、西洋式の倉庫や軍用施設などの建設に
最新資材として利用されていたそうです。
『今回、見つかり、引き上げられたれんがは、
もし、目的地に届いていたら、全く違う建物などに
なっていたはずのモノたちです。
当初の目的を遂げられなかったれんがが、
何十年かぶりに海中から引き上げられたことで、
今度は発想を生み出す素材として、関わっていきたい』
と、日比野さんはお話されていました♪
ということで、今年の瀬戸芸秋会期までに、
『Re-ing-A』というタイトルのアート作品に
生まれ変わっていくそうです!
このタイトルにも意味があります。
Re=再び
ing=(現在進行形)動く
A=アルファベット最初の1文字
ということで、『再び動き出した最初の一歩』なんだそうです!
どんな作品になるのか、楽しみです♪
瀬戸内国際芸術祭、夏会期はもうすぐ・・・
そして、きっと粟島が舞台になる秋会期も、
あっという間にやってきそうです!
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