こんにちは、ショウタロウです。
去る11月11日(日)に香川大学公開講座の「讃岐ジオサイト探訪」が三豊市高瀬町で開催され参加してきました!
「ジオ」とは地球や大地を意味する言葉です。
最近では、特徴的な地形や地質を持つ地域が、ユネスコの「世界ジオパーク」や日本ジオパーク委員会の「日本ジオパーク」に指定されて、学びや愉しみの場所となっています。
今回の「讃岐ジオサイト探訪」は、その名の通り讃岐の特徴的な地形・地質が見られる場所を探訪する講座で、県内各地を探訪しています。
まずは以前にもご紹介した鬼ヶ臼山を目指します!(以前の記事はこちら)
案内してくださるのは、香川大学創造工学部の学部長でもいらっしゃる長谷川教授です(左側のオレンジ色の帽子の方です)。
今回の登り口は、こちら。ちょっと目立たない場所ですが、ちゃんと看板もありました。
細い登山道を上がっていきます。斜面の最後はなかなか急ですが、距離にすれば600〜700mぐらいでしょうか。けっこうすぐ着きますよ。
今回は一般受講者の方々約30名ほどの方々が参加されていました。
山頂の巨石です。四国のベースとなっている花崗岩で、風化せずに残っている「コアストーン」ということです。この「コアストーン」という言葉は先の豪雨の土石流でも有名になりましたよね。
さて、この日はいつくものジオサイトを巡るということで早々に下山して、朝日山森林公園へ(地図はこちら)!
ちなみに今回は地元「高瀬まちづくり推進隊」元理事長の高木先生が特別ゲストとしても参加され、地域の概要や歴史を説明されていましたよ!
朝日山から周囲の山を眺めると、地形の違いが森の植生(植物の生え方)にも影響を与えていることが眼でも分かります。
駐車場からしばらく道を下っていくと地盤が露出した斜面がありました。少し削って見ると…
下のオレンジ色の層が、花崗岩の風化したもの、その上の白っぽいものが凝灰岩(火山の噴火で出てきた火山灰などが水中で固まったもの)、そしてその上が安山岩(溶岩)です。これだけでも一度ここの地には水(池とか湖)があって、その上に噴火で溶岩が流れてきた、ということがわかるそうです。
長谷川先生「この安山岩を見てください。通常と違ってひび割れが多くありますね。この理由はなんでしょうね…?」
先生、そう言われても…素人には難しいです!
長谷川先生「朝日山はよく見ると、頂上付近の駐車場と頂上とで平らな場所が2ヶ所ありますよね。これはもともとは朝日山は高松市の屋島のような平らな地形だったものが、駐車場部分のところで滑り落ちたと思われます。そのショックで通常はひびの少ない安山岩にひび割れが多く入ったのでしょうね」
おおっ、地形からそんな歴史的な推理ができるとは!なんか推理小説みたいです!
さらに探訪は続きます。今度は朝日山のお向かい傾山(かたぶきやま)です(地図はこちら)
山の頂上付近に見える白い線が傾いているから傾山なのでしょうね。ちなみにこの白い線は「安山岩の柱状節理」だそうです。
この傾山の西側には「三豊層群」という砂礫層が広がっており、日当たりのよい斜面という地形と水はけの良い地質が、高瀬の名産であるお茶の生育にも適していたようです。
(左下に「茶」の字。分かりますか?)
さらに大水上神社を訪ねます(地図はこちら)。
ここでも奥の千五百皇子社の磐座の説明、二宮の窯跡の見学などもあって「ここは見どころいっぱいで一日中いられるね〜」という声も聞こえてきました!
ちなみに、個人的にびっくりしたのは…
この方、狛犬の研究をされているそうです!神社の中に何組もある狛犬について詳細な説明をしてくださいました!
最後は、何の変哲もなさそうな場所へ…高瀬町二ノ宮農業構造改善センターの近くです(地図はこちら)
奥に傾山が見えますね。
実はこの写真の上部に見える土手を境に向こう側が高瀬川の流域、こちら側が財田川の流域となる分水嶺なのだそうです!
「分水嶺」というとなんだか高い山脈などをイメージしてしまいすが、こんななだらかな分水嶺があったとは…
もし、こちらがわの流れに笹舟を流せば観音寺に、向こう側だと詫間に流れていくわけですよね。運命の分かれ道??
さあ、驚きと発見が盛りだくさんの一日もいよいよ終わりました。最後に長谷川先生にお話を伺いました。
ショ:「先生としてはジオサイト探訪を通じてどんなことを伝えたいとお考えですか?」
長谷川先生「そうですね。『全ては大地とつながっている』ということです。ジオそのものというよりも、地域の名産品や食、文化などを楽しんでいただくことを通じて、それら全てがジオにつながっていることを知ってもらえたら嬉しいです。」
なるほど!大地が森や川を産み出し、その恵みの植物や農産物、水産物があり、そこから人の文化や歴史が生まれ、私達は台地の上に暮らしている…もとを辿れば全てが大地につながっていくのですね。あ、、先生のお言葉を言い換えれば「全ては大地を通じてつながっている」のでしょうか!
一見地味に見える「ジオの世界」でしたが、そこは謎解きやつながりがたくさん詰まった知的好奇心の刺激いっぱいの世界でした!
ちなみに三豊には、他にも火山だった頃の火道(マグマが地中に貫入するときの通り道)が見られる爺神山など三豊市にはジオ的にも見どころは多いみたいですよ。私もしっかり勉強してみます!
長谷川先生、特別ゲストの高木先生、みなさま、どうもありがとうございました!
(朝日山森林公園にて)
⬛香川大学公開講座
HPはこちら
※「讃岐ジオサイト探訪」は4〜12月の通しの講座です。来月で最終回ですが、おそらく来年度も開催されると思いますので、ご興味ある方はぜひ来年度受講なさってください!
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