こんにちは、ショウタロウです。
前回の七宝山山系に続き、今回も「観音寺あけぼの山の会」(HPはこちら)の会員の方々と讃岐ジオサイト探訪(HPはこちら)受講者の方々とのコラボ企画ということで「荘内半島」を歩いてきましたのでご紹介いたします!
さて、今回のルートは紫雲出山→三崎灯台→箱ビジターハウスです。
スタート地点の紫雲出山の駐車場から。いつもながらよい眺めですね〜
長谷川先生「島の形からあるていど地質も推測できるんですよ。溶岩である安山岩は硬くて谷ができにくいので、台形になったり、島が火山だった場合はおにぎり山のような形になります。一方花崗岩は風化によって谷ができやすいのです。眼の前の粟島は花崗岩の島ですね。」
さすが先生、見るポイントが違いますね。
さて、すぐ三崎灯台のほうへ方面へくだるのか思いきや…一度登ってきた道を少し戻ります。
ここは大浜から登ってくる登山道との交差点です(地図はこちら)。以前からあった解説板が新しくなっていますよ。歩く人も増えているのでしょうか。
紫雲出山付近の地質について書かれています。
長谷川先生もこれは初めてご覧になったようで、「いや、これはいいですね!」と絶賛です!
看板の前でのレクチャーの後、すぐ近くの場所に移動します。
この場所は上から順に
塊の安山岩(溶岩が固まったもの、写真上部に少し写っています:約1400万年前)
↓
板状の安山岩(溶岩が流れた時に下の岩盤とこすれてできたもの、写真上〜中央:約1400万年前)
↓
花崗岩(四国の基盤となっている岩、写真中央〜下:約1億年前)
となっています。
前回も書きましたが、1400万缶前の香川は大火山地帯だったようで、七宝山系も場所によっては200mほどの安山岩の層ができているそうです。200mも溶岩が溜まるというのは想像を絶していますが、当時は日本列島が大陸から分離した時期で地殻活動がかなり活発だったようなのです。
さあ、一度紫雲出山に登って…三崎の灯台を目指します!
この半島の先端です!
最初の方は礫がたくさん混ざった岩が落ちています。ちょっとお話を聞きそびれてしまったのですが、溶岩や火砕流が礫を巻き込んだもののようです。
道を下っていく途中で凝灰岩(火山灰などが水の中で堆積してできた岩、湖などがあった証拠)がありました。
長谷川先生「凝灰岩の見分け方の一つにかけらをなめてみるというのもあります」
「え!?なめる…のですか??」
→ なめてみました。「あっ!」
長谷川先生「舌にひっつくでしょう(笑)凝灰岩は小さな穴が多いのでひっつくんです。」
先生、石をなめたのは子どものとき以来ですよ!
しばらく歩いていると、目につく岩は花崗岩になってきました。山を下っていくと出てくるということは、やっぱり四国の基盤の石なのですね。
ずんずん下って車道に出て(地図はこちら)、荘内半島の先端を目指します。
仁老浜の海水浴場に向かう途中には雰囲気のいい家並みもありますよ。
仁老浜に着きました!ここで昼食です。
長谷川先生は早々に昼食をすませると…「ちょっと気になる岩があって、どうしても確かめたいんです」とのこと。その岩はこちらです。
長谷川先生「とてもよくできた亀に見えるのですが…浦島伝説のある荘内半島なので、もしかして誰かが作ったのでは!?」
と近づいてみて…
長谷川先生「あ、本物だ!すごい!」
完全に天然の造形でした。日の当たり具合もあってニッコリ亀さんに見えていたようですが、プロ中のプロの目にも人手に寄るものと見えたとは…やはり自然はすごいです。
さて、三崎半島への道を歩いて立石休憩所につきました。
以前来たときは「立石」という名前になんの疑問もなかったのですが、近くの林に目をやると…
立派な花崗岩の巨石が立っていました(高さは6〜7mあると思います)。なるほどだから立石だったのですか〜参加者のみなさんからは「周りの木を整理して見やすくしたら名所になるのでは!?」なんていう声も聞かれていましたよ。
さて、荘内半島の先端、三崎灯台に着きました!ここから引き返して…三崎神社、箱裏ビジターハウスへと向かいます。
三崎神社に参拝します。
あ、先生は裏でなにか見つけられたようですよ!
長谷川先生「この祠、『豊島石(てしまいし)』という石(角礫凝灰岩)でできています。香川県の豊島や屋島などで採掘されるブランド石ですね。加工しやすいので昔の祠や灯籠などはこの石でできているものも多くあります。ちなみに手前の灯籠はもっと硬い花崗岩でできているのでこれは後から造られたものですね。」
なるほど人の技術レベルと使える石にも関係があったのですね。
この後、かつての海の関所であった「関の浦」もまわって、箱ビジターハウスで解散となりました。
2日続けて長谷川先生と各地を回って私自身もとても勉強になりましたよ。
長谷川先生は、讃岐をユネスコの「世界ジオパーク」にすることを目標とした活動をされています(こちら)
先生によると讃岐は、その地形や、世界でも讃岐などの一部にしか無く、古代の地球の地殻を作ったときと同じプロセスでできたサヌカイト(カンカン石、讃岐岩)や讃岐岩質安山岩など世界に誇れる資質があるということです(参考資料はこちら)。
ただ、ユネスコのジオパークに認定されるには、地形・地質学的な資質だけでなく、それに関わる活動(教育や観光など)も必須であり、そのあたりの活動の盛り上がりも必要なのが課題だそうです。
讃岐の世界ジオパーク計画、小豆島などでも盛んなようですが、三豊も特徴的なものが多くありますから、ぜひ関わっていったらいいのではないかと思いました。ちなみに香川大学では「ジオガイド養成講座」という取り組みもされているので(こちら)、私も一度受講してみます!
長谷川先生、観音寺あけぼの山の会の皆様ありがとうございました。観音寺あけぼの山の会には三豊市の方も多く入会されているそうですよ。一人で歩くのが不安な方も仲間と歩けば安心、そしていろんなことを学べます。ご興味のある方はぜひお問い合わせください(HPはこちら)
ありがとうございました!
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