「ミトヨの生き方・働き方を知ってミヨ」会社編vol.2
株式会社マルモ印刷
代表取締役社長 奥田章雄さんにお話を伺います。
大正8年(1919年)、観音寺市八幡町に石版印刷業丸茂印刷として創業。
大正、昭和で70年、平成で30年、令和元年(2019年)になるのと同時に101年目を迎えました。
平成3年(1991年)に営業本部と豊中工場が三豊市に移転し、緑豊かな環境が印刷業の中心的な仕事場になっています。
印刷業の歴史の中で
印刷業とは?!
「印刷技術の始まりは、ドイツで発明された活版印刷から始まります。この技術で聖書を印刷し、人々に広く行きわたるようになりました。
聖書の歴史は印刷技術の歴史そのものと言われているほどです。」
マルモ印刷の始まり、教えてください。
「祖父が、大正8年(1919年)に観音寺市で始めたのは石版印刷です。これで観音寺市内にある四国霊場第68番札所神恵院と代69番札所観音寺のお札の印刷を始めました。
続いて昭和31年(1956年)に父の代になると、オフセット印刷に移行していきます。アイスキャンディーの包装プリント、地元商店の包装資材やパッケージの印刷ができるようになりました。こんぴらさんの参道にあるお店の包装パッケージや、観音寺にあった競輪場の車券なんかも印刷していました。
昭和60年(1985年)頃からは、印刷技術も、単色、カラー、PC化と技術革新していきましたので、積極的に設備投資をしていました。」
〇マルモ印刷公式HPより会社沿革
三豊市とのご縁は?
「三豊市に移転してきたのは平成3年(1991年)です。観音寺市内にあった工場が、都市計画の道路拡張により立ち退きをすることになりました。そのタイミングで、三豊市の陣山工業団地への話がありました。高速のインター(高松自動車道さぬき豊中)にも近く、また地盤もしっかりしていたので重量のある印刷機械を設置するにはピッタリの場所でした。」
現在は、印刷業の拠点は三豊市に、観音寺市に本社機能を、そして東京にも営業所があります。
平成13年(2001年)より、3代目となる奥田社長が誕生します。
人と同じことはしたくない!
オリジナルの印刷を!
社長に就任された頃、どんな思いでしたか?
「家業の印刷業を見ていて、ずっと感じていたのは、下請けの仕事が多いということでした。スーパーの折り込みチラシを印刷する仕事では、少しのミスでも補償問題になります。こちらの責任を問われることも多く、立場が弱いなと感じていました。」
「なにかオリジナル商品を作り、他の事業者さんと対等に付き合えるようになっていきたいという想いから、私が心掛けていたのは、『人と同じことはしたくない! 思い立ったらすぐ作る。すぐ試作する。』ということでした。
その結果、平成16年(2004年)、クリアファイルに印刷ができる新しい技術により、マルモ印刷のオリジナル商品を開発しました!それが『ファイルDEメール』です。」
2020年ならではのデザインです!!!
アマビエ様をプリントしたクリアファイル♪
このまま郵便を入れる封筒として使い、点線から切ると「マスク入れ」に代わります!
「開発してすぐに特許出願をして、9年、平成25年(2013年)にようやく特許登録されました。特許出願もやったことのないことでしたが、取得するまで絶対にやると思って、あきらめませんでしたね。」
さらなる自社商品の開発へ、オリジナルブランド誕生!
特許取得、おめでとうございます! さらに新しいブランドも誕生しますよね?
「平成19年(2007年)には、自社初のオリジナルブランド『geografia』が始まります。
平成23年(2011年)三豊ものづくり大賞も受賞しました。
『geografia』 シリーズでは、地理・地形・地球をテーマにした文具・雑貨ブランドとして、いろいろなテイストで楽しめる地球儀やメモ帳を展開しています。
〇「geografia」ご紹介の過去の記事
続いて、平成21年(2009年)には、『REALFAKE』が誕生します。
紙と印刷技術で、動物の毛皮を特殊印刷したり、素材感を大事にしながら、リアルな動物のようなフェイクな動物が完成するというユニークな商品です。サバンナの動物や南極・北極シリーズなどがあります。
「『geografia』はこちらから東京のデザイン会社にアプローチした案件でした。高度な印刷技術や加工技術を駆使してこだわって作りました。
次の『REALFAKE』は、別の東京の会社から一緒にやりませんか?と声をかけていただきました。印刷技術でどこまでリアルなものを作るか、動物園や水族館に何度も取材に行って、生き物たちのことを調べつくし、こちらもこだわり抜きましたね。」
〇マルモ印刷公式HP オリジナルブランド紹介
新しい商品を生み出すことで会社が変わっていく!
印刷会社としてだけではなく、文具・雑貨ブランドとしての新しい価値が生まれ、社内に変化はありましたか?
「新しい商品が誕生したことで、取材を受ける機会が増えました。
本、雑誌、テレビなどで取り上げられると、社員たちも誇らしい気持ちを感じてもらえるようになってきていますね。企業紹介のTVで、印刷現場が映ったときに、『お父さんが映ってる!』と従業員の子どもが喜んでいたという話も聞きました。」
「それまでの印刷業は、お客様の受注に応える部分が大きかったんですね。それがオリジナルの文具・雑貨ブランドが立ち上げたことで、新しいビジネスの領域が広がりました。
『geografia』は、世界でも販売されていますので海外への仕事が始まりました。また雑誌社や映画関連会社から、特別なプリントをした特製コラボレーション文具雑貨の依頼もいただくようになりました。」
さらに、最近誕生した新商品では、嬉しいことがあったと聞きました!
「令和元年(2019年)に新商品『まるもの うどんメモ』が誕生しました。これは、デザイナー2人だけで、初めて、企画発案から商品化まで、すべて担当を任せて完成したオリジナルの商品です。ツイッターでマーケッティングし、うどん屋さんに1軒ずつ交渉し、写真を撮影してパッケージなども頑張ってくれましたね。」
「今、父母ヶ浜の自社ショップ『Setouchi Gallery』 で販売しています。私も、そのお店でレジに立つことがあるですが、社員が商品化したものを、社長の私がレジ打ちして販売しています。店内で、『うどんメモ』を手にした人たちから『かわいい〜』という声が聞こえてくると、ワクワク、そして何とも言えない充実感を感じますね。」
社員がそれぞれ力をつけて活躍していますね!
オリジナリティーを大切してトライしてほしいという奥田社長の想いが、社員の方にも伝わっていますね!
◎「まるもの うどんメモ」を開発した宮本加奈子さんにもお話を伺いました♪
企業人編ご紹介はこちら
今の時代に求められる働き方
今後の社員採用や人材の育て方についてお聞かせください。
「今、印刷業界は、デジタル化、紙離れが進んでいるので、なかなか厳しい時代にはなっています。また、マルモ印刷は離職率が低い会社なので、これから、印刷部門だけでの採用は、なかなか厳しいと感じています。」
そんな中でも、未来を見据えた新しい事業も始められたと聞いています。
「三豊市仁尾町の父母ヶ浜に『Setouchi Kitchen』 という瀬戸内の食材を使った地中海風料理が楽しめる飲食店を始めています。こちらの事業では、料理やフロアーサービスの経験者の方がいらっしゃれば歓迎しております。」
三豊市仁尾町の「Setouchi Kitchen」
首都圏でのホテルや飲食店でサービスを学ばれた方が、一流のおもてなしをできる力を持ちつつ、地方のゆったりしたペースで生活するには、ぴったりの職場環境かもしれません!
地域の中で、これからの仕事を作っていく!
さらに、奥田社長のこれからの展開をお聞きします。
「三豊市詫間町の荘内半島から仁尾町にかけてのエリアに、地域のいろんな魅力があります。このような地域の魅力を一緒に盛り上げていけるような観光やサービスのコンテンツを、印刷業と一緒に作り上げてくれるような働き方ができる方がいたら、おもしろいなと思っています。いろんなことにオリジナリティーをもってトライしてくれるような方にご縁があるといいですね。」
三豊市仁尾町の父母ヶ浜
「オリンピックがあるはずだった令和2年(2020年)、会社が100年を迎え、令和になってからのこの1年はいい年にすると決めていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり苦労しています。でも、マルモ印刷では、この10年間に、オリジナルブランドの開発に力を入れてきたので、今の時点でこれだけの自社商品を持つことができたことは大きな強みとなっています。そして、これから、父母ヶ浜から荘内半島エリアに向けて新しい挑戦も続けていきます。」
これからも、三豊の地から、オリジナリティーを発揮して、新たな展開が生まれてくること、楽しみしています♪
株式会社 マルモ印刷
営業本部・工場:三豊市豊中町笠田笠岡3915‐5
電話番号 :0875‐62‐5856
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