2020年12月15日

三豊はジオも楽しい!香川大学公開講座のジオツアー開催!(後編)

 こんにちは、ショウタロウです。

 香川大学公開講座ジオガイドが案内する讃岐ジオサイト・「爺神山と汐木山(三豊市)」
の後編です。

  〇前編はこちら

 お昼を済ませて、午後からはかつての古三野津湾の痕跡を巡ります。

 宗吉かわらの里展示館を出発して、汐木山の麓に向かいます。
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(汐木山遠景:写真は香川大学長谷川研究室提供)

 上の写真は資料館を出てすぐのところから撮影したものですが、歩いてみるとなだらかに下っていることが分かります。
 実は、この斜面がかつての海の渚だったということなのです。

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(ジオガイドの前川さん(左):写真は香川大学長谷川研究室提供)

  現在田んぼや畑が広がっている平坦地はすべて海だったのですね。やはり宗吉瓦窯跡が海に面していて、瓦の運搬にとても都合が良かった(陸地を運ぶよりも楽)ということが大きかったようです。

汐木山 (2).JPG
(写真は香川大学長谷川研究室提供)

 ちなみに古三野津湾の大規模な干拓は1600年代に行われたそうですが、干拓で有名なオランダ(国土の1/4が海より低い)の大きな干拓事業よりも早く着手されたそうです。それほど大規模な工事が行えたのには入口が狭い古三野津湾の形も大きく影響したそうです。

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(ほ場整備事業の記念碑)

 こちらは、圃場整備事業の記念碑です。干拓後にも水に浸かることを防ぐための排水など、なみなみならぬ先人のご苦労があって今の田畑があるのですね。

津波潮位.JPG
(津波の潮位を示すサイン:写真は香川大学長谷川研究室提供)

 汐木山の麓には津波の潮位を示すサインがありました。もともと海だったのですから、十分注意が必要ですね。ジオのツアーは防災の学びも大きいです。

高灯籠.JPG
(大きな燈籠:写真は香川大学長谷川研究室提供)

 こちらの大燈籠は移設されたもののようですが、かつての港の目印として使われていたものです。

汐木港跡.JPG
(汐木港跡:写真は香川大学長谷川研究室提供)

ちゃんと解説板もありますよ。
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 こちらは汐木地区から詫間に抜ける運河沿いの道です。
湛水ポンプ.JPG
(写真は香川大学長谷川研究室提供)

 ここは両側が運河(道の右)と堀(道の左)のようになっていて、左(内陸)側には運河へと水を排水するポンプもあります。
 もともと海だったところを維持しながら活用するのはやはり大変なことです。
 それでもやはり私達が生きていくためには、農作物など食料を作ることが最優先ですものね。

回転橋跡.JPG
(写真は香川大学長谷川研究室提供)

 こちらが詫間の的場橋かつて回転橋だった橋です。

「回転していた!?的場(まとば)橋」(記事はこちら

 運河を通って、港に出入りする船のために回転していたのだそうです。ガイドの前川さんの調査ではお相撲さんあがりの怪力の人が橋を回転させていたとか…どんなふうにしていたのでしょうね!

 高地蔵.JPG
(高地蔵:写真は香川大学長谷川研究室提供)

 さて、最後の訪問箇所は詫間町松崎地区の「高地蔵」です。
 吉野川流域にはよく見られるそうですが、洪水時に水没しないように台座を高くしたものです。

 もともとはすぐ近くの場所にあったものがこの秋に移設され、台座も低くなっていました。
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(移設前の高地蔵:2020年6月)

 お地蔵様もそうですが、移設された墓地もよく見ると周囲より高い土地になっています。
 ご先祖様が流されないように高い場所に墓地を選んだのでしょうね。

 ここから詫間駅に向かい、電車で高瀬駅に戻って終了、という見どころ満載のジオツアーでした。
 今ある風景が作られた経緯や歴史を台地の地形や地質から読み解くというのは、想像力も掻き立てられてとっても面白かったですよ。

 地元の方には見慣れた風景だけに、意外性や面白さもより一層感じられるのではないでしょうか。これからの展開が楽しみです!! 


⬛香川大学長谷川研究室(讃岐ジオサイト探訪)


ありがとうございました!
posted by ほんまモンリポーター at 01:00| 香川 ☀| Comment(0) | 三豊の自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月14日

三豊はジオも楽しい!香川大学公開講座のジオツアー開催!(前編)

こんにちは、ショウタロウです。

 一昨年から三豊市のジオ(地形や地質に関わること)を紹介してまいりました。

 「爺神山ってすごいんです!」(記事はこちら
 「香川大学公開講座「讃岐ジオサイト探訪」が三豊で開催!」(記事はこちら
 「石が語る三豊の自然(七宝山系:絶景の縦走編)」(記事はこちら
 「石が語る三豊の自然(荘内半島編)」(記事はこちら

 このような三豊の資源を活かした取り組みとして、先日

香川大学公開講座

ジオガイドが案内する讃岐ジオサイト

「爺神山と汐木山(三豊市)」

 が開催されました!

 テーマは「なぜ藤原京の瓦を讃岐で焼いたのか?」

 かつて三野町周辺が海だったから…ということをご存知の方も多いかもしれませんね(「三野には海が広がっていた!」(記事はこちらそれも含めて瓦を焼いた理由、そしてかつての三野津湾の痕跡を巡るツアーでしたよ。

 スタート地点は市役所。歩く距離が8kmです。ちゃんと準備体操していきましょう。

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(準備体操:写真は香川大学長谷川研究室提供) 

 高瀬駅前でかつての爺神山の姿が紹介されました。讃岐七富士にも数えられた秀麗な姿です。
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(三豊市文書館で販売している絵葉書です)

 しばらく歩いて眺めのいいところから現在の爺神山です。
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(爺神山遠景:写真は香川大学長谷川研究室提供) 

 戦後の採石事業で頂上部から削られましたが、事業が途中で中止されたため、そのため断面には溶岩が固まった様子が見られます。

 テレビ番組「ブラタモリの案内人」も務められた香川大学の長谷川先生によると、香川のおむすび山はかつては「メサ」(屋島のような台地)が削れてできた地形(「ビュート」というそうです)と言われていましたが、実はそうではないそうです。

 実際には地下から溶岩が上がってきて固まった溶岩の塊が鉛筆の芯のように中心になって固まった「火山岩頸」というものなのだそうですよ。詳しくはこちらをご参照ください(長谷川研究室の資料です)

 そういうことは山を削ってみないと確かめようがないですから、その意味でも爺神山はとても貴重なんですね。

 さて、こちらが、爺神山の採石跡です。この断面から読み取れることとは!?
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(爺神山採石跡:写真は香川大学長谷川研究室提供)
 ※通常は立入禁止です。許可を得て入っています。

 詳しくはこちらの記事をご覧ください!
 →「爺神山ってすごいんです!」(記事はこちら

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(私もジオガイドのはしくれとしてご案内させていただきました)
※写真は香川大学長谷川研究室提供

 ちなみに瓦の材料については詳しくは調べられてないそうですが、可能性との一つとしては爺神山の溶岩(安山岩)が風化してできた粘土が考えられます。

 爺神山と宗吉の瓦窯跡の間には「瓦谷」という地名があります。かつての窯跡も確認されているそうです。谷に堆積した粘土を使っていたのでしょうか??
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(瓦谷:写真は香川大学長谷川研究室提供)

 こちらが宗吉瓦窯跡です。当時の国内最大級の窯跡で現在は国の史跡に指定されています。
宗吉瓦窯跡.JPG
(宗吉の瓦窯跡:写真は香川大学長谷川研究室提供)

 写真右の建物が「宗吉かわらの里資料館」です。もちろんツアーでこちらも見学させていいだきました。
 ちなみに入館料は100円!本当にお得な資料館です。

 さて、ここまでが前半、公園でみんなでお昼にしました。ここからはかつての古三野津湾を巡る後半です!

⬛香川大学長谷川研究室(讃岐ジオサイト探訪)

⬛宗吉かわらの里展示館

 住所:三豊市三野町吉津甲153番地1
 

 開館時間 9時〜17時(入館は16時30分まで)
 電話 0875-56-2301
 入館料 15歳以上〜65歳未満 100円
     団体割引(20人以上)70円/人
     その他無料(年齢等の分かるものが必要)
 休館日 月曜日(祝日・振替休日の場合は開館。その翌日は休館)
     年末年始(12月29日〜1月3日)
posted by ほんまモンリポーター at 09:27| 香川 ☀| Comment(0) | 三豊の自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月02日

高瀬のホタル見に来てね!

 こんにちは、ショウタロウです。

 高瀬のこだわり市の横に高瀬川の上流にあたる小さな川が流れています。この川でホタルが見られるってご存知でしたか?
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 そういえば、こだわり市の建物の壁にもホタルの絵が描かれていますね。

 こだわり市のすぐ横を流れているこの川…
 

 実は綺麗な川だったのですね。ちゃんと見たことがありませんでした。

 川の横のフェンスには…
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 ごたわり市さんのこだわりの一つも掲示されていました。

 5/31にはまちづくり推進隊高瀬・蛍の里作り代表の小野さんらによるホタルの放流と竹あかりのコラボが開催されましたよ。
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小野さんと手伝ってくれていた子どもたちです。
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竹あかりで幻想的な明かり風景が生み出されていました。
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 さて、肝心のホタルはこちらです。

 全体ではざっと見て20〜30匹ぐらいがふわ〜ふわ〜っと漂っていました。光の点滅周期(約2秒間隔)から見て、きれいな水でないと住めないゲンジボタルでしたよ。

 これからしばらくは楽しめそうです。時間としては、今回の取材時には19:45頃から飛び始めていました。小野さんによると21時頃には光らなくなるそうなので、ぜひタイミングを逃さず鑑賞してみてください!

 ホタルがいつまでも楽しめるようにきれいな水環境も守っていきたいですね。
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⬛高瀬川のホタル(さぬきこだわり市の横)
 三豊市高瀬町上麻1175−1(地図はこちら

ありがとうございました!




posted by ほんまモンリポーター at 06:28| Comment(0) | 三豊の自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月01日

紫雲出山の桜🌸いまが見頃です!

紫雲出山の桜が開花したと聞き、
さっそく撮影に行ってきた“ふじまる”です

◎三豊市の桜スポット情報はこちら


紫雲出山頂の桜は7分咲き?か、
それ以上のような気がしました。

ハッキリ言って、いまが見頃です

この週末には、おそらく満開になると思います。


3月30日のライトアップの様子をお届けします

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昼間はかなり込み合っている紫雲出山の山頂!
夜の幻想的な桜も、お勧めです!!!



<ご注意>

*夜は冷え込みますので、あたたかい格好で!
*暗いところもございますので、懐中電灯などもお持ちください!









posted by ほんまモンリポーター at 00:00| Comment(0) | 三豊の自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月10日

冬のため池の楽しみ

 こんにちは、ショウタロウです。


 雨が少ない香川県にはため池が多いですよね。ちょっと調べてみたところ、都道府県ごとの数では全国3位ですが(1位は兵庫、2位は広島)、密度では第1位で、全国平均の15倍近い密度だそうです。
(香川県HPより → http://www.pref.kagawa.jp/tochikai/tameike/data/

 夏に貴重な水をためてくれていた池も、この季節には「池干し」として水が抜かれて工事されたりしています。
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 完全に水が抜かれたため池は運動場みたいですね。

 一方、水が残っているため池には、ある生き物が集まってきていました。
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 そう鳥たちです!普段から日本で暮らしている水鳥や、冬にシベリアの方から日本に越冬しに渡ってくる水鳥が集まっていました。

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 サギやマガモ、カルガモのようです。

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 ホシハジロ?ちょっと分かりませんでした。
 近づくとすぐ逃げてしまいます。双眼鏡が必須ですね。

 高瀬にある国市池では、渡り鳥の解説板も設置されていました。
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 ため池の周りには草地があることも多いので、水鳥だけでなく草場が好きなホオジロなどの野鳥も見かけることができますよ。

 ため池密度の高い香川県は渡り鳥たちにとって、たくさんの別荘がある「避寒地」かもしれませんね。
 外に出かけるのが億劫になるこの季節ですが、この季節だからこそ出会える鳥たちに出会いに行ってみませんか?

 ありがとうございました!

🚩国市池 ※農林水産省の日本のため池百選にも選ばれています
 三豊市高瀬町
 
[ここに地図が表示されます]







posted by ほんまモンリポーター at 01:00| Comment(4) | 三豊の自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする